都の剣〜文化祭バージョン〜
「えっと……桜姫は怪我をした時に治してくれるから、私にもできるかなって……」

「無理に決まってるだろ!お前、まともに除霊もできないのに」

「やってみなきゃわかんないじゃん!」

そう言い、桜姫が言っている呪文を唱えようとしたその時、体に寒気が走った。

ただの寒気ではない。とても懐かしい寒気だ。

「沙月ちゃん……!!」

つららが目の前に現れ、沙月に抱きつく。

「つららちゃん!どうしてここに?」

つららは泣きじゃくりながら言った。

「お願い……。あの世を救って……。ヤマタノオロチが……」

「ヤマタノオロチ!?それは本当なのか?」

葉月が問い詰める。沙月は何の話かわからず、ただ泣きじゃくるつららを抱きしめた。

「ヤマタノオロチって……?」

キョトンとする沙月に、葉月はため息をついて説明した。

「その名の通り、八つの頭と尻尾を持った巨大な蛇だ。凶暴で人も食べるぞ」

人を食べる、と葉月が言った瞬間に、沙月の体に寒気が走る。

「確か、スサノオノミコトという神が封印したはずだ」

「封印が……解けちゃったの……」
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