都の剣〜文化祭バージョン〜
嵐猫が風を起こし、オロチを転倒させ、お雪とつららが凍らせる。しかし、相手は簡単には倒せない。

沙月が屋上を見ると、座敷わらしの二人と、ひとめと金次郎と朧が、必死にある儀式をしていた。

大丈夫、成功する。そう何度も言い聞かせる。

その時がやって来たのは、突然だった。

真っ黒だった空に、白い光が差し込む。太陽の光だ。沙月は嬉しさでいっぱいになる。ひとめたちがガッツポーズをしているのが見えた。

葉月の作戦はこうだ。キングたちがオロチを引きつけているうちに、朧たちが夜明けを早める儀式を行う。太陽でオロチが弱ったところで、沙月が封印する。

太陽で、確かにオロチは弱ってきたように見える。朧たちも攻撃に回った。

「沙月〜!!幸運の力をあげるです〜」

「オロチを退治してくださいです」

座敷わらしの二人が歌う。すると、みんなの攻撃が次々と当たり、オロチはますます弱っていく。

「行きます!!」

沙月は一気に降下し、オロチの四番目の首に剣を振り下ろす。思ったよりも簡単に、四番目の首は切れた。オロチはその場に倒れ込む。

「これで、終わったの……?」

あまりにも早すぎる展開に、沙月は喜べない。みんなはじっとオロチを見つめ、首を横に振る。
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