都の剣〜文化祭バージョン〜
「……妹にこんなことをしたのは、またひとめ?」

雪女のお雪が口を開く。沙月は無言で頷いた。恐怖と寒さで体が強張る。

「そう……。ひとめを凍らせてくる」

「お姉様、待って!」

お雪が去った後、ひとめの身を心配したつららが後を追った。神社などは相変わらず凍りついたままだ。

「なんか急に神社凍ったよ!」

「すっげ〜」

「なんか不気味だし、帰ろうよ」

「そうだね。なんか寒いし」

ぞろぞろと参拝客が帰っていく。呆然としていた沙月は我に返った。

「どうしよう。このままじゃ家が凍ったままだよ!」

「落ち着いて、沙月。火影なら何とかしてくれるはずだよ」

嵐猫が沙月に体を押し付ける。見た目は猫なので寒さに弱いのだ。

「そうだね。火影〜!助けて〜!」

「どうした沙月……って寒っ!!」

火影が体を震わせる。沙月は事情を説明した。

「……というわけで、火影!あなたの力で氷を溶かして」

「ええ〜。俺、寒いので苦手だし……」

火影の目が何かを求めている。沙月はため息をついて、言った。

「今日の夕食、コロッケにするから」
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