放課後の魔法使い
「それは、無理だね。俺は、毎日学校に来るのを楽しみにしてるんだから」
「別に、あんたは魔法使いじゃないんだからいいじゃん」
「俺は、魔法使いだって」
「もう、からかわないで」
馬鹿みたい。
「じゃあさ、魔法にかけてあげるよ。君にとっては、呪いかもしれないけど...」
呪いなんて、かけて欲しくない。
学校に行きたくなる魔法なんて、いらない。
「魔法の呪文は...」
学校に行くのなんて嫌。
「君のことが好きだから、学校に来てくれないと寂しい。チチンプイプイ、学校にきたくなーれ」
彼の影と私の影が重なる。
それは、また、ゆっくりと離れて二つの影に戻る。
「バカ。もうずっと前から、君の魔法にかかってるよ」
*END*