My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4

「歴代の王の死因を調べることは可能だが、例え呪いのせいだったとしても公式には病とされていると思うぞ」
「ですよね……」

 現に王様は病で伏せっていることになっている。

 ――ずっと秘密にされてきた王家の呪い。
 やはりもう王子と王様しか知る者はいないのだ。
 王子が知らないことは王様に訊くしかないけれど。

(やっぱり王様が起きてくれないと何もわからないってことか……)

 と、その時アルさんが言いにくそうに口を開いた。

「でもよ、このままじゃ殿下も王様と同じ道を辿ることになっちまうかもしれねぇってことだよな」

 はっとする。
 確かに彼の愛するドナも笛を吹いてはいたけれど、ここに書かれたような曲は吹いていない。

 ただ吹くだけでは呪いを抑える力が無いのだとしたら、彼女を愛してしまった今、王子の中で呪いは確実に進行していることになる。
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