My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4
そのあまりに簡単で恐ろしい言葉にショックを受ける。
彼と直接話をしたのはデュックス王子と花を摘みに庭へ出たあの時だけ。
――殿下をお願いします。
耳に蘇ったその声と今の声とはまるで違う。
(こんなことをする人には思えないのに)
でも彼は――。
「ははーん、そーいうことか」
その緊張感のないあっけらかんとした声は言わずもがなアルさんのもの。
「ってことは、クラヴィスが見当たらないのもアンタのせいってことだ」
「!?」
フィグラリースさんは答えない。それははっきりと肯定を意味していた。
(どういうこと?)
「お前が……クラヴィスをどうしたんだ!」
王子の声に焦りが滲む。
「ご心配なく。クラヴィスもすぐに貴方の元へ参ります」
「どういうことだ」
「彼には、貴方を殺めた謀反の罪で、死んでもらいますので」
「お前……!」
王子の声が怒りに震える。
と、そこでフィグラリースさんは少し笑ったようだった。
「誰も疑わないでしょう。むしろ皆憐れみすら覚えるかもしれない。彼は昔から、貴方に手を焼いていましたから」
「……っ」
王子が強く拳を握りしめているのがここからでもわかる。
彼と直接話をしたのはデュックス王子と花を摘みに庭へ出たあの時だけ。
――殿下をお願いします。
耳に蘇ったその声と今の声とはまるで違う。
(こんなことをする人には思えないのに)
でも彼は――。
「ははーん、そーいうことか」
その緊張感のないあっけらかんとした声は言わずもがなアルさんのもの。
「ってことは、クラヴィスが見当たらないのもアンタのせいってことだ」
「!?」
フィグラリースさんは答えない。それははっきりと肯定を意味していた。
(どういうこと?)
「お前が……クラヴィスをどうしたんだ!」
王子の声に焦りが滲む。
「ご心配なく。クラヴィスもすぐに貴方の元へ参ります」
「どういうことだ」
「彼には、貴方を殺めた謀反の罪で、死んでもらいますので」
「お前……!」
王子の声が怒りに震える。
と、そこでフィグラリースさんは少し笑ったようだった。
「誰も疑わないでしょう。むしろ皆憐れみすら覚えるかもしれない。彼は昔から、貴方に手を焼いていましたから」
「……っ」
王子が強く拳を握りしめているのがここからでもわかる。