My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4
「もうひとつ訊きたいことがある」
セリーンが別れの挨拶をしかけたところにラグが割入る。
彼女に抱えられたまま、彼は真剣な顔で尋ねた。
「エルネストっていう金髪の男を知らないか?」
「エルネスト? さぁ……聞いたことねぇけどな」
「牢に閉じ込められている可能性もあるんだが」
「牢に? いや、そんな名の囚人は今までにいなかったと思うが。それに金髪だろ? この国で金髪っていやぁ陛下とツェリウス殿下くらいだからなぁ」
「そうか……」
溜め息交じりにラグは肩を落とした。
ひょっとしたら……と思ったが、ここに彼の手がかりは無いようだ。
「すまねぇな。おめぇの術のお蔭で俺の足も治ったしよ、陛下のこともよろしく頼んだぜ」
「あ、あぁ」
ドゥルスさんの笑顔に曖昧に頷くラグ。
「それと、セリーンのこともな。俺のもう一人の娘みたいなもんだからよ。なんだかおめぇにぞっこんのようだからな」
それに関しては口を閉ざすラグだった。
「何を言っているドゥルス。逆だぞ? 私がこの子を守るんだからな!」
更に強く抱き締められたらしいラグがぐえっと呻き声を上げ、ドゥルスさんはさも面白そうに豪快に笑った。
「また会えて良かったぜ、セリーン。俺も明日は城にいるが、十分に気を付けろよ」
「あぁ、また城でな。クストスにはすまなかったと伝えてくれ」
そして、私たちはドゥルスさんの家を後にした。
セリーンが別れの挨拶をしかけたところにラグが割入る。
彼女に抱えられたまま、彼は真剣な顔で尋ねた。
「エルネストっていう金髪の男を知らないか?」
「エルネスト? さぁ……聞いたことねぇけどな」
「牢に閉じ込められている可能性もあるんだが」
「牢に? いや、そんな名の囚人は今までにいなかったと思うが。それに金髪だろ? この国で金髪っていやぁ陛下とツェリウス殿下くらいだからなぁ」
「そうか……」
溜め息交じりにラグは肩を落とした。
ひょっとしたら……と思ったが、ここに彼の手がかりは無いようだ。
「すまねぇな。おめぇの術のお蔭で俺の足も治ったしよ、陛下のこともよろしく頼んだぜ」
「あ、あぁ」
ドゥルスさんの笑顔に曖昧に頷くラグ。
「それと、セリーンのこともな。俺のもう一人の娘みたいなもんだからよ。なんだかおめぇにぞっこんのようだからな」
それに関しては口を閉ざすラグだった。
「何を言っているドゥルス。逆だぞ? 私がこの子を守るんだからな!」
更に強く抱き締められたらしいラグがぐえっと呻き声を上げ、ドゥルスさんはさも面白そうに豪快に笑った。
「また会えて良かったぜ、セリーン。俺も明日は城にいるが、十分に気を付けろよ」
「あぁ、また城でな。クストスにはすまなかったと伝えてくれ」
そして、私たちはドゥルスさんの家を後にした。