My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4
「お前ら、目的を忘れんなよ。オレは、」
「わーってるよ。呪いを解く方法だろ?」
仰向けのままアルさんが答える。
「俺だってなんかしら手がかり見つけてくれねーと困るんだ」
「万が一方法が見つかったとしても、断固阻止させてもらうがな」
そう言ったのは勿論セリーン。
ぎろりとそんな彼女を睨み上げるラグに苦笑していると、ふと気づいたようにアルさんが身体を起こした。
「そういやお前、本当に良い方法が見つかったらどうすんだ?」
(あ)
それは先ほど森の中で考えかけたことだ。
ラグは即答する。
「決まってんだろ。すぐにでもその方法でこの呪いを解く」
「だから阻止すると」
「てめぇは黙ってろ!」
とうとう怒鳴ったラグに、アルさんはなんだか言い辛そうに続けた。
「いや、そうなると、もう例の金髪兄ちゃんを探す必要はないわけだろ?」
どきりと胸が鳴る。
イラついた様子で答えるラグ。
「そりゃあな。呪いが解けりゃあんな野郎に用はねーんだ」
私の胸は更にざわついた。
当然の答えだ。呪いが解けてしまえば、彼がエルネストさんに会いに行く理由は無くなる。
アルさんがちらりと私を見た。
「じゃぁ、カノンちゃんはどうすんだ?」
驚いたような青い瞳とぶつかる。
でもそれはすぐにそらされて。
「……知らねーよ」
その短い一言に、一瞬目の前が真っ暗になった気がした。