My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4
その背中が見えなくなったところで私は小声でセリーンに言う。
「やっぱりフォルゲンさんだったね! こんなにすぐに会えるなんて……」
「お知り合いなのですか?」
後ろからクラヴィスさんの声がして、しまったと思う。
彼にはどこまで話していいものか迷ってしまう。
「えっと、知り合いというか、」
「以前立ち寄ったフェルクレールトで、彼の噂を耳にしたのだ。とても腕の立つ医者がいたとな」
セリーンはドゥルスさんのときと同じ説明をした。
「そうでしたか。いえ、私ももしかしたら今の女性を知っていたかもしれません」
「ドゥルスの娘のことか?」
セリーンが言うとクラヴィスさんは流石に驚いた顔をした。
「なぜ、ドゥルス団長のことを」
「ドゥルスとは昔戦場で共に戦った仲でな、先ほどヴァロールで偶然に出会ったんだ」
あぁと、思い出したように頷くクラヴィスさん。
「昔の知り合いというのは団長のことだったのですね」
「あぁ。その時に娘がフェルク人の医者と一緒になったと聞いてな」
「ではやはり先ほどの方が……」
彼が消えた廊下をもう一度見つめながら、クラヴィスさんは続ける。
「いえ私も団長から嫌というほどに聞いてはいましたが、一見お医者様には見えないですね」
“嫌というほどに”のところがやたらと強調されていたのが少し気になったけれど。
――戦にも長けていたから連れていかれた、確かライゼちゃんはそう言っていた。
きっと大戦中は戦士でもあったのだろう。
「やっぱりフォルゲンさんだったね! こんなにすぐに会えるなんて……」
「お知り合いなのですか?」
後ろからクラヴィスさんの声がして、しまったと思う。
彼にはどこまで話していいものか迷ってしまう。
「えっと、知り合いというか、」
「以前立ち寄ったフェルクレールトで、彼の噂を耳にしたのだ。とても腕の立つ医者がいたとな」
セリーンはドゥルスさんのときと同じ説明をした。
「そうでしたか。いえ、私ももしかしたら今の女性を知っていたかもしれません」
「ドゥルスの娘のことか?」
セリーンが言うとクラヴィスさんは流石に驚いた顔をした。
「なぜ、ドゥルス団長のことを」
「ドゥルスとは昔戦場で共に戦った仲でな、先ほどヴァロールで偶然に出会ったんだ」
あぁと、思い出したように頷くクラヴィスさん。
「昔の知り合いというのは団長のことだったのですね」
「あぁ。その時に娘がフェルク人の医者と一緒になったと聞いてな」
「ではやはり先ほどの方が……」
彼が消えた廊下をもう一度見つめながら、クラヴィスさんは続ける。
「いえ私も団長から嫌というほどに聞いてはいましたが、一見お医者様には見えないですね」
“嫌というほどに”のところがやたらと強調されていたのが少し気になったけれど。
――戦にも長けていたから連れていかれた、確かライゼちゃんはそう言っていた。
きっと大戦中は戦士でもあったのだろう。