カフェオレでお願いします
……
……


それから、しばらく



階段を上がって

屋上の扉に背を預けて
座り込んでスマホをいじっていたその人に
私は声をかけた



「景(けい)くん、またさぼってる」

「お前もだろ」

「違うもん、自習時間になったの」

「同じようなもんだろ」

「授業あるのにさぼってる景くんとは違うもん」

「そーかよ」


そんな事を言い合いながら
私は景くんの隣に座った


2週間くらい前に
階段から落ちかけた私を助けて話を聞いてくれた

川神(かわかみ)景くん

ちなみに同い年



あの日、あの後


優しい言葉をかけてもらって
すっかり気が緩んでしまった私は

泣きながら
間宮君の事や今までの恋愛について
景くんに話してしまって

だけど

景くんは呆れも嫌がりもせず

見ず知らずの相手の私の声を真剣に聞いてくれた

私の気が済むまで話に付き合ってくれた




『まあ、あんま溜め込んで無理はすんなよ』



そう言って、景くんは去っていって




ちゃんとお礼も言えてなかった事に
後から気付いた私は

会えるか分からなかったけど、翌日もここに来て

そしたら景くんがいて


お礼を伝えて
なんとなくそのまま景くんと色々話して


そうしていたら

そのまま景くんと仲良くなって



今ではこうやって
朝やお昼休みに会って他愛ない話をするようになった
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