カフェオレでお願いします
まぁ、事実だけど……


初めて会った時は自分の事で手一杯で
全然気付かなかったけど

まじまじ見ると

景くんはすごく整った顔をしてる

モデルさんや俳優さんみたい

スタイルもいいし
話し方はぶっきらぼうだけど、声も良い



後から知った話

景くんは学年の中でも
かなり女の子に人気があって

誰が見ても非の打ち所のない完璧な容姿を
ひと目見ようと

ぶっきらぼうだけど艶のある低音ボイスを
ひと声聞こうと


押し掛けた女の子達に毎日毎日囲まれる日々を過ごしてる


景くんと出会って1週間位経った頃
私も初めて実際にその現場に居合わせて

それから数回ほど

女の子に囲まれてる景くんを目撃してる


その度景くんはうんざり顔で
めんどくさそうに女の子達をあしらってた



「モテる男は大変だね」

「まぁな」



♪~♪


「あ、私だ
ごめんね、出て良い?」

「ああ」



景くんにひと声かけてから電話に出た



「もしもし?うん、大丈夫だよ」

「…」

「……うん。うん」

「…」

「!!ほんとに!?良かったね~っ!」

「…」

「ううん、きみが頑張ったからだよ」

「…」

「うん。いつでも連絡して
……うん、ほんとにおめでとう」


……
……


「景くん!聞いて!」


電話を終えるなり
私は勢いよく景くんに詰め寄った


「またかよ」

押し倒さんばかりに距離を詰める私に
たじろぎながら仰け反る景くん
< 15 / 36 >

この作品をシェア

pagetop