カフェオレでお願いします
……行きたくないって思っても
行かなきゃ行けないのが学校というもの



翌日、憂鬱な月曜日



「…」


自分の教室の前で一度深呼吸して、ドアを開けた



「あ、いおり。おはよ」

「……おはよ」

「いお~、おはー!
ねぇねぇ聞いて聞いて~っ」


教室に入るなり元気な声が飛んできて
勢い良く抱き付かれる

教室にまだ彼の姿がないことにほっとしてから
体に引っ付いてる小動物を見下ろした


「ひなみ、痛い」

「あのねあのねっ、いおが選んでくれた服
大正解!!可愛いって褒められた~っ!」


私の言葉はスルーして
真ん丸の大きな目をきらきら輝かせ
まばゆい笑顔を向けてくるひなみ


「それは良かった
後、痛い」

「いおさまさまだよ~ほんと!」

「そんな大したことしてないよ
そして、苦しい」


彼氏さんから言われた「可愛い」の一言が
とにかく嬉しくて仕方ない様子のひなみは
それを表現するようにぎゅ~っ!っと力強く私に抱き付いてきて

小柄なのに、この力は一体どこから湧いてくるのか……

ぎゅ~よりもミシミシって効果音の方が合ってるかもしれない


…………折れる……

あまりの力強さに私の体は悲鳴をあげてる



「ひなみ、いおりを見なよ
死にそうになってる」

「あれ…いお、なんで真っ青になってるの?」

「あんたが血の流れ止めてんのよ」


いいから離れなさい、と
かすみが不思議がるひなみを
引き剥がしてくれたおかげで無事蘇生
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