A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察
下に向かうエレベーターが来るのを、
白石先生と二人で待つ。
患者さんが2人、先生に挨拶して
通り過ぎて行った。
杏は思い切って聞いてみることにした。
「あの、昨日の研修…延期とかでしたか?」
「いや、研修は夕方まであったよ。
終日だと他のこと何もできなくなるんだよね、ホント参っちゃうよ」
そう言って苦笑いを浮かべる白石先生。
ずっと疲れているのに、
今日だってまた夜遅くまで仕事、
頑張るんだろうな…。
「でも、蓮は特に辛かっただろうな。あいつ若いのに仕事できるから、最近色々と上からプロジェクト任されててさ。
今日も午前から大事なプレゼンで、だからか昨夜は懇親会にもちょっと顔出したくらいで、すぐに帰ってたよ」
(えッ、その時間ってちょうど私の診察時間だよね…)
「プレゼンも好評だったし良かったよ」