A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察
(…先生が早く帰ったのは、プレゼン準備じゃなくて、私の診察のためだったってこと?)
「…研修がどうかした?」
杏は首を横に振って、
なんでもないと笑って答えた。
これ以上、何も言えなかった。
その時ちょうどエレベーターが来た。
先に杏の病室がある階につき、
杏は他の人と一緒に降りる。
「じゃあ、またね」
ドアが閉まる時、手を振っている白石先生が見えて、杏も手を振り返した。