A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察
診察室の階に着き、
自分の名前が呼ばれるのを待つ。
ただ座って待っているだけなのに
今日はやけに長く感じて
全然落ち着かない。
やっとのことで名前が呼ばれると、
診察室のドアの前に向かった。
"コンコン…失礼します"
「どうぞ〜」
ドアを開けるとイスに座っていたのは、
白石先生でも広瀬先生でもなく、
ここ数日杏の診察をしてくれていた
別の若い先生だった。
「何も問題なさそうですね。退院おめでとうございます」
先生にお礼を言って、看護師のさやかさんと退院の手続きをしていると
梨香と夏帆がやって来た。
「「杏、退院おめでとう〜!」」
(これでもう、本当に会えないまま終わっちゃうんだね。
白石先生も広瀬先生も、本当にありがとうございました。)
杏はココロの中でひとり寂しく呟いた。