A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察
バックの中もポケットも、
思い当たりそうなところはひととおり探した。
それでも出てこない、部屋のカギ。
雨はさっきよりも強く降り、
かなり暗くなってきた。
さっきからずっと外にいるせいで、
体温も下がり寒気がする。
「ハァ〜、うそ…どうしよう」
杏の口から出た深いため息。
どこかで落としたとしたら…。
病院か、
雨の中を走っている時か、
先生の車か。