A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察



真っ黒になった画面。



灰色の空から降り続く雨は、
杏のココロの中を映しているかのようだった。



杏はドアの前にしゃがむと、
腕に顔をうずめた。



このまましばらく何も考えたくない。





ーー目を閉じて、降り注ぐ雨の音だけを感じる。




気がつくと、遠くから微かに足音がした。



だんだんと近づいてきた感じがして、
杏が顔をあげた時だった。





「…見つけた!」

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