A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察
「熱ありそうだし、このまま帰すわけにもいかないから…」
飲み終えたコーヒーを眺めながら、
その方が安心だからと
先生からお願いされてしまった。
先生の家に泊まるなんて、
想像しただけでドキドキが止まらない。
ーー急すぎる展開に、頭が真っ白になる。
握っていた携帯を見ると充電は切れてるし…
もう先生の提案を受け入れるしかなかった。
杏はコクンと頷き、
先生に迷惑をかけてしまっていることを謝った。
「迷惑なんかじゃないから大丈夫。着くまで寝てていいよ」
温かい車内で、
外から聞こえる微かな雨の音と車内のBGM。
心地よい揺れも合いまって
杏はしばらくしないうちに眠りに落ちた。
ーー先生の家に着いた頃には雨はだいぶ弱まっていた。
目の前に現れたのは、
いかにも高級そうなタワーマンション。
エレベーターに乗って先生の部屋に入ると、
そこは洗練されたデザインの
モデルルームみたいだった。
「まだ疲れてそうだし、しばらくこのベッドで休みな」