A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察
「ごめん、すぐ終わるから少しだけ頑張れる?」
広瀬先生は、杏が大の注射嫌いなのを
白石先生から聞かされていた。
それでもこれまでの診察結果を考えると、
これ以上杏の体調が悪化するのだけは
避けたかった。
(そんな優しい声で聞いてくるなんて反則…!)
でも、苦手なものは苦手。
杏は泣きそうな目で必死に抵抗する。
でも先生のまっすぐな目を見続けるほど、
そのキレイな目に吸い込まれそうになって
何も言えなくなる。