A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察


「まぁ…星や空は逃げないから、
体調が回復したら見に行けばいいよ。

今日は蓮が休みで俺が診察するから、
また後でね」


そう言って白石先生は
コーヒーを飲み干して行ってしまった。


引っかかる先生の言葉。



広瀬先生に弟がいたなんて知らなかったけど、それより弟のことって一体何…。


モヤモヤが晴れないまま、
気づくと診察の時間が近づいていた。



杏は足早に白石先生が待つ1Fに向かった。


「失礼します…」


診察室に入ると、
白石先生は笑顔で杏を迎えてくれた。


小さい頃もこうして、


先生の笑顔を見て緊張がほぐれていたのを
思い出して懐かしくなる。

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