A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察


近くのコンビニでたまごサンドと
グレープフルーツジュースを買い、


図書館の休憩室に向かう。



(雨だけど、混んでないといいなぁ)



休憩室に着くと、お昼のピークも過ぎ、
席は思ったより空いていた。



杏は奥の方に座り、
美味しそうにたまごサンドを頬張る。


勉強の内容に集中していたさっきとは違い、
不意に広瀬先生のことが頭をよぎる。



正直、そんな辛い過去があったなんて
先生は全然感じさせなかった。


弟さんのことを偶然知ってしまった今、


少しでも早く先生に会って、
ちゃんと話がしたい。


(…明日は先生に会えるかな。
たぶんまだ怒ってるよね、

黙って立ち去っちゃったし…)

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