A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察


でも次に会ったら、


広瀬先生にちゃんと謝って、
お礼しようと杏は心に決めていた。



こんなにも杏に向き合ってくれる人と、
モヤモヤなんて残したくない。



ーーふと外を見ると、水溜りで遊んでいる小学生くらいの男の子たちが見えた。


“今度はそこからやってみて”

“ユウトなら、余裕でしょ”



周りの友達からユウトと呼ばれる男の子は、


助走をつけながら思い切りジャンプして
大きな水溜りを飛び越えてみせた。


その瞬間、
その男の子と目があった気がして、


急いで視線を逸らし、
たまごサンドを食べ終えて席に戻った。
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