ラストトーク〜君がページをめくる時〜
でも、みんなが私の知らなかったことを教えてくれた。形のない友情というものがこんなに綺麗で、こんなに大切になるなんて思ってなかった。みんなと過ごした日々は一生の宝物です。

私の話を聞いてくれた。私の秘密を受け入れてくれた。それが、小説家になった時よりも、高校に合格した時よりも嬉しかった。奇跡みたいに毎日が幸せで、楽しかった。

だからこそ、お礼を伝えたかった。みんなの記憶に残るようなことをしたいと思った。だから小説を書くことにしたの。

みんな、それぞれの道を歩いて行くけど、みんなの選んだ夢を私は応援する。いつかまた逢って一緒に話せたらいいな。

本当に、ありがとう。



「バカ〜!涙、止まんないじゃない!!」

茜ちゃんがそう言いながら私に抱きついてくる。私も泣きながら抱きしめた。

光矢くんたちも、目に涙を浮かべていた。

「卒業、おめでとう」

私が口にすると、また涙があふれてくる。

また逢えるのが何年先になっても、私はここで待っているから。
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