ラストトーク〜君がページをめくる時〜
「ねえ、一緒にお昼食べない?」

お弁当を机の上に出した私に、ベリーショートでボーイッシュな雰囲気の女の子が話しかけてくる。

「あたしは井村茜(いむらあかね)!一緒に食べよう?」

私は声をかけてくれたのが嬉しくて、何度も頷く。茜ちゃんは「やった〜!」と喜び、私を屋上へ連れて行った。

屋上からは、綺麗な青空と緑がどこまでも広がっている。そして三人の男子が話していた。

「こいつらはあたしの友達。よく一緒に遊んだりするんだ」

茜ちゃんがそう言うと、みんな自己紹介をしてくれた。

「鴇田光矢(ときたこうや)です。よろしくお願いします」

一番小柄で大人しそうな男子が言う。将来は医者を目指していて、勉強が得意だと茜ちゃんが教えてくれた。

「山吹智絵(やまぶきともえ)だ。何か困ったことがあったら、すぐに言ってくれ」

背が高く、鍛えているのか筋肉がある男子が笑いかける。この学校の生徒会長をしていて、家でトマトを育てていると茜ちゃんが教えてくれた。

「青竹誠司っす。よろしく的な」

三人の中で一番顔が整った男子が不思議な口調で話す。日本語はめちゃくちゃだが、独学で英語と中国語、それにポルトガル語を話せると茜ちゃんが教えてくれた。私は驚いて「えっ!?」と言ってしまう。
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