ラストトーク〜君がページをめくる時〜
茜ちゃんたちと過ごす日々は、私に温もりと幸せをくれた。
智絵くんの家でみんなとゲームをしたり、誠司くんの家でみんなと映画鑑賞をしたり、光矢くんの家でみんなと勉強会をしたり、茜ちゃんの家でみんなと料理を作ったり、私の家で動画を見たりした。
みんなと一緒に小説を書いたり、星を見に行ったり、サイクリングやカラオケに行ったり、みんなといると毎日が驚くほど楽しい。
それと同時に、みんなに隠し事をしているということに心が傷つく。でも、またあんな思いをするのは嫌だ。でも、みんなと過ごす時間が増えるたびに心は全てを話したがる。
葛藤を抱えたまま、私たちが「楽しみだ」と話す夏休みが迫ってきた。
「ねえ、みんなでキャンプに行こうよ!」
茜ちゃんがそう言うと、私たちは話すのをやめて茜ちゃんを見つめる。
「高校生最後の夏だしさ、特別な思い出を作りたいんだ。……ダメかな?」
そう話す茜ちゃんの顔には、楽しみと憂いが混じっている。私は未来のことを考え、全てを察した。ギュッと歯を食いしばる。
「いいんじゃね?俺、賛成的な〜」
誠司くんが手を挙げる。その表情は楽しげで、智絵くんや光矢くんも、「いいね、面白そう」と頷いた。