恋は、二度目のキスのあとで―エリートな彼との秘密の関係―
でも、それも仕方ないことなんだろうなとも思っていた。
だから、突然の告白には驚いた。
柊二が選ぶのは、キラキラした可愛い子だとばかり思っていたのに、なんで私なんだろうという疑問で頭がいっぱいになり、なにも答えられない私に、柊二は不安そうに笑った。
『ずっとって言うのは……まぁ、ぶっちゃけると小学校の頃から千絵のことしか見えてなかったっていうか。その、初恋っていうか。あ、でも、だからって重たく感じてほしくないんだけど! 普通に、本当に普通に好きって感じにとらえて! 別に断れたってストーカーになんかならねぇし!』
次第に焦ったような顔になった柊二を、それでもただじっと見ていることしかできずにいた。
そんな私にさすがに不安になったのか、柊二は、眉を下げる。
いつもの自信満々な笑みなんかどこにも見つけられなかった。
『あの、さ、俺はそんな感じなんだけど……その、やっぱりダメ?』
緊張しています、と書いてあるような顔で聞く柊二は、小さなころから一緒にいる私でも見たことはなかった。
眉も目じりも情けなく下げた柊二はまるで、泣き出しそうな子どもみたいで……そんな顔を見たら、じわじわと嬉しさが沸き上がり、首を横に振るなんてできなかった。
柊二がどれだけ本気かが伝わってきたから。
『私でよければ』と答えた瞬間の柊二の『よっしゃっ!』という、本当に嬉しそうな笑顔は、子供のころのままで、思わず私も笑ってしまった。
そこからの付き合いは順調だった。
幼馴染から恋人に関係を変えると、柊二は私に対して甘くなり、そんな態度を見せられているうちに私も自然と好きになっていた。
世界が違うからというブレーキが止めていただけで、おそらく、柊二への恋心は元からどこかにあったんだろう。
だから、他の異性に惹かれなかったんだ。隣にいつだって一番キラキラしている柊二がいたから。
そのことに、付き合い始めてから気付いた。