シンデレラには····程遠い
···潤の驚き
携帯を触りながら
少し笑った社長に
潤は、驚き
「社長、如何されましたか?」
と、訊ねると
「いや、何でもない。」
と、答える社長を凝視していると
「なんだ。」
と、こちらを向く社長に
言葉を発しようとすると
「鈴香ちゃんだろ」
と、言いながら入ってきた快斗に····
「鈴香ちゃん?」
と、潤。
「風花ちゃんの。」
と、答える快斗に絢斗はチッと
舌打ちをする
潤は
「えっ、あの娘が?」と。
「そう。なぜか、
住まわせてるみたいだよ。」
と、疑問に持ちながら答える快斗に
「どこに?」と、潤
「兄さんの。
藤堂・クラーク・絢斗の部屋に。」
と、快斗が答えると
「えっ、ええ~っ!!」
「潤、うるさい。
仕事しないなら、下がれ」
と、絢斗の一言で
快斗は、肩をすくめ
潤は、
「申し訳ありません。」
と、言って快斗と社長室をでた。
ドアから出た二人を見て
絢斗は、ため息をつく
快斗には、直ぐに知られると
思っていた。
コンシェルジュの山田さんが
話すはずがないが。
あいつの情報網には
目を見張る。
なぜか?
と、問われても明確な答えはない
鈴香をそばにおきたい。
ただ、それだけだ。
俺の中の俺が言っている
鈴香の全てが俺を引き付ける
女に対して
こんな気持ちになることは
今まで一度もなかった。
不思議な女だ。