シンデレラには····程遠い

···潤の驚き


携帯を触りながら
少し笑った社長に
潤は、驚き
「社長、如何されましたか?」
と、訊ねると
「いや、何でもない。」
と、答える社長を凝視していると
「なんだ。」
と、こちらを向く社長に
言葉を発しようとすると
「鈴香ちゃんだろ」
と、言いながら入ってきた快斗に····

「鈴香ちゃん?」
と、潤。
「風花ちゃんの。」
と、答える快斗に絢斗はチッと
舌打ちをする

潤は
「えっ、あの娘が?」と。

「そう。なぜか、
住まわせてるみたいだよ。」
と、疑問に持ちながら答える快斗に

「どこに?」と、潤

「兄さんの。
藤堂・クラーク・絢斗の部屋に。」
と、快斗が答えると

「えっ、ええ~っ!!」

「潤、うるさい。
仕事しないなら、下がれ」
と、絢斗の一言で

快斗は、肩をすくめ
潤は、
「申し訳ありません。」
と、言って快斗と社長室をでた。

ドアから出た二人を見て
絢斗は、ため息をつく

快斗には、直ぐに知られると
思っていた。
コンシェルジュの山田さんが
話すはずがないが。

あいつの情報網には
目を見張る。

なぜか?
と、問われても明確な答えはない

鈴香をそばにおきたい。
ただ、それだけだ。

俺の中の俺が言っている
鈴香の全てが俺を引き付ける

女に対して
こんな気持ちになることは
今まで一度もなかった。

不思議な女だ。
< 18 / 83 >

この作品をシェア

pagetop