シンデレラには····程遠い

···帰宅


やはり、0時を過ぎてしまい
マンションへ戻る。

いつもなら、会社で寝るか
近くのホテルへ泊まるか
だが·····

鈴香の顔がみたい

帰る支度をする俺を
驚いている潤。
「社長、お帰りになるのですか?」
「ああ。朝は何時も通りに」
「·····はい。かしこまりました。」

そのやり取りを見て
快斗は、クスクス笑っていると
絢斗がジロリと睨むから
余計に可笑しくなった。

絢斗は、そんな快斗を無視して
「潤も、もう帰宅しろ。」
と、言って社長室を後にした。

運転手は、帰したので
自分で車を運転して帰る

コンシェルジュの山田さんが
一瞬、驚いた顔をしたが
「藤堂様、お帰りなさいませ。」
と、頭を下げる
「ただいま」
と、伝えると
エレベーターのボタンを押してくれて
頭をさげる。

部屋に入ると
シーンと静まりかえっているが
鈴香の匂いがする。

手を洗い
寝室へ向かう
ベッドに姿はなく
リビングに行くと
リビングのソファーに
丸くなって寝ている鈴香を
抱きあげてベッドへと運ぶ
運ぶ間も温もりを求めてか
すり寄ってくる鈴香が
可愛くてたまらない。
ベッドへそっと下ろして
シャワーへと行こうとするが·····

ジャケットの裾を鈴香が握っていて
まぁ、良いかと
一度、そっと離して
上着を脱ぎ、ネクタイを取り
シャツのボタンを開けてから
鈴香の横に入り
抱き締めると
ごそごそと近づき
頬を擦り寄せる
まるで、猫のようだと思いながら
そのまま目を閉じた。

明日、朝、鈴香は起きるのか

きっと、目覚ましをセット
しているだろう

クスッと、口角があがる。
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