シンデレラには····程遠い
···変身
ついた先は、サロン
中に入ると
「藤堂様、お待ちしておりました。」
「この子なんだ。
宜しく頼むよ。」
「はい、畏まりました。」
「鈴香ちゃん、行ってきて。
俺は、ここで待っているから。」
と、言いながら
快斗さんに背中を押され
担当の方には、微笑みながら
案内をされた。
椅子に座ると
あっと言う間に
顔が出来上がり
ブルージュの髪をサイドに
綺麗にセットされて
「こちらを着て下さい。」
と、渡されたドレスは、
マーメイドドレスの黒
背中がかなりあいている
下着は、ドレスにつく形になっていた。
胸元は豪華な刺繍があって
形がすごく綺麗だ
袖はシースルーになって
手首にピッタリとついている
ドレスを着てから
再度、髪をセットして
髪飾りをつけて貰い
首元とイヤリングをはめて貰い
ドレスにあったパンプスをはき
担当の方に手を引かれ
快斗さんの前に行くと
快斗さんから
じっと、見つめられて
居心地が悪く
「あの~、快斗さん?」
「ああっ、ごめん。綺麗で見とれてた。」
「はいはい。スタッフの方の腕ですね。」
と、言うと快斗さんは、
笑いながら
ドレスの上にショールをかけてくれて。
「ありがとう。完璧だよ。」
と、スタッフの方に
「とんでもございません。
お客様の肌の美しさや
藤堂様のお見立てのドレスが
素晴らしいからです。」
と、言っていた。
肌ね。·····と、
なんだか誉めるとこないから
無理やりみたい
と、可笑しくなる。
すると、快斗さんの携帯に
着信があり
「さぁ、行こうか、鈴香ちゃん。」
と、言われて
快斗さんの後を着いていく。
スタッフの方に
「ありがとうございます。」
と、頭を下げながら·····
ついた所は、アマン東京
エレベーターに乗り30階へ
降りると潤さんがいて
私を見て驚いている
またか?·····
「すごいだろ。」と、快斗さん
「鈴香ちゃん?」と、潤さん
「はい。ご無沙汰しています。」
と、挨拶をすると
快斗さんが
「兄さんは?」
「あっ、社長はご挨拶に。」
「そう。なら、俺達も」
と、言い
私を挟んで快斗さんと潤さん。
私達が中に入ると
場内が、ザワザワと······
私が萎縮すると
快斗さんは、私の肩から
ショールを取り
私の手を自分の腕に置き
「顔を上げで胸を張ってね。」
と、耳元で囁いた。