シンデレラには····程遠い
⋅⋅⋅葉瑠②
実家に電話をした。
「あら?葉瑠、日本?」
「ああ。ただいま、母さん。」
「うん、お帰り。」
と、話してから
姉貴のマンションに行ったら
引っ越しをしていた事
姉貴の相手に偶然会った事を話すと
「あっ、ごめん。葉瑠に話して
なかったね。
そうなの、びっくりしちゃった。
あんな綺麗な彼を連れてきて。」
「反対しなかったの?
世界が違う人じゃない。
姉貴が幸せになるとは思えない。」
「反対?お父さんがしたわよ。
でも、藤堂さんが鈴香じゃないと
ダメなんだと。
他の女性に対してこんな気持ちには
ならないと。
鈴香の真面目さ、豊かな表情
全てが愛しいとね。
それに、あのこの表情ひとつで
鈴香の考えがわかり
先に解決する、そんな藤堂さんを
目の当たりにして
お父さん、許したの。」
と、母は言った。
だが、俺は納得できていなかった。
姉貴に
❬ 今夜、ご馳走して。 ❭
と、LINEすると
❬ うん。何時にくる?
あっ、何が食べたい? ❭
と、かえってきて
時間とリクエストをした。
7時に姉貴に教わった通りに行く
すげぇ〜
「菅野様でいらっしゃいますか?」
と、コンシェルジュ?の方に
声をかけられて
「あっ、はい。」
「鈴香様から、伺っております。
どうぞ、こちらへ」
と、エレベーターまで案内されて
ボタンを押してもらう
最上階?やはり、普通じゃない
つくと扉が三つだけ
その一番大きな扉が開き
姉貴が顔を出す。
「山田さんが、まもなく到着します。
と、知らせてくれたの。
入って。私の家ではないけど」
と、言われて
「山田さん?」
「コンシェルジュさんよ。」
「あの人ね。姉貴、後の二つは?
もしかして。」
「絢斗さんの弟の快斗さんと
秘書の潤さんの部屋だよ。」
と、言いながら
玄関に入る。
広い!!圧巻。
姉は、キッチンに行き
食事の準備をしている。
回りを見回すと
リビングの一角に
姉貴の物が⋅⋅⋅⋅⋅
クスッ、ソファーの間に隙間がある
そこにいるのだろう。
そこへ
姉と藤堂さん。
「あっ、おじゃましています。」
「よく、来たな。ゆっくりしろ。」
と、言いながら
リビングダイニングから出て行く。
姉も後ろをついて行く
「鈴香、続きをしていろ。
一人で出来る。」
と、後ろにいる姉を見て
頬を撫でる。
姉を見る目が優しげで
はっとする。
姉は、真っ赤になりながら
「はい。」
と、答えた。
姉がキッチンへと動くのを目で
追いながら⋅⋅⋅⋅⋅⋅
やはり、姉の雰囲気が違う
ダイニングテーブルに
料理を並べる
終わる頃、藤堂さんがきて
「葉瑠。」
と、俺を呼んだ。
俺は、はい。と答えながら
椅子に腰かけた。
姉貴の料理は美味しくて完食。
「ご馳走さま。美味しかった。」
と、姉の顔を見る藤堂さん。
姉も
「お粗末様でした。」
と、微笑んでる。
姉が片付けをはじめて
「姉貴、ありがとう。
美味しかった。」
と、食器を引くと
「良かった。」
と、笑う姉に、またまた、ドキッと。
藤堂さんに
「それで。納得できたか?」
と、言われて
姉は?と、言う感じだが⋅⋅⋅⋅
はぁ~っと、ため息を付きながら
「正直、あなた見たいな人と
一緒になっても姉貴が
辛い思いするのが目に見えます。
もし、藤堂さんが
遊びや冷やかし、興味本意で
あるならば、今すぐに離れてほしい。
俺は、シスコンだと言われようと
姉貴が好きだし、幸せになって欲しい
と、思っています。」
と、言うと
姉貴は、口を挟もうとしたが
藤堂さんに止められた。