シンデレラには····程遠い
後 日
···風花と快斗
ライナスでピアノを弾き終わると
横で拍手の音が
見上げると
オーナーの弟さんで弁護士の
快斗さん?
「山本さんのピアノは、
いつ聴いても良いね。」
いつ聴いても?
「藤堂さん、弁護士さんが
嘘は、ダメですよ。」
「うそ?嘘じゃないよ。」
「西野さんの時から聴いていたよ。」
「ええっ、ほんとですか?」
「うん。オーナーと来たり
一人で来たりね。」
「そうですか?すみません。」
「いやいや。だって、山本さんに
会わずに帰っていたからね。」
「でも、ありがとうございます?」
「あはは、疑問系?
面白いね、風花ちゃん。」
「さすがモテ男ですね。
行きなり名前ですか?
では、そろそろ本題どうぞ。」
「うわぁ、すごいね。
何でわかったかな?」
と、言う中、手でどうぞ、とすると
「では。先日のパーティーに来ていた
あの女の子の正体は?」
「女の子?」
「フランス語の上手な。」
「鈴香の事ですね。
彼女は、菅野鈴香
私と同級で、大学生三年の21才です。
鈴香が、どうかしましたか?」
「あのパーティーの時に
フランス人のお客様を対応して
くれたんだ。
そのお礼がしたくて。」
「そうなんですね。
そのフランス人のお客様・アレクシさんと
鈴香は、先日ライナスに
来てくれました。
ピアノを気に入って頂いて。」
「そう。で、鈴香ちゃんに
お礼がしたいから
一緒に食事でも、どうかと。」
「鈴香は、人見知りがあるから
どうですかね?」
「だから、風花ちゃんも一緒に。」
「えっ、私もですか?」
「もちろん。
ライナス、月曜日お休みでしょ?
その日に。」
「わかりました。
鈴香に伝えます。
快斗さんは、お仕事ですよね?」
「そうだよ。でも大丈夫。
場所と時間連絡するから
連絡先教えて。
調べれはわかるけど
直接聞いた方が楽しいから。」
と、言われて
この人には、勝てないと
携帯を繋ぐ。
だが····これだけは···
「絶対に鈴香を傷つけたり
怖がらせないで下さい。」
と、言うと
「約束する。」
と、言って快斗さんは帰って行った。