シンデレラには····程遠い
親友との食事
今日は、アレクシさんと風花と
一緒に食事をする事に····
絢斗さん達には遠慮してもらったと
風花が言うから
可笑しくなって笑った。
風花と待ち合わせの駅へ。
学生みたいだとワクワクする。
そんな私を絢斗さんが
優しい顔で見ていた。
だが、
「帰りは連絡するように。」
と、言われたから
大丈夫だと思ったけど
「はい。わかりました。
仕事でしたら、無理しないで下さいね。」
と、だけ伝えた。
「鈴香!」
と、呼ばれてそちらを向くて
「風花。」
と、言いながら風花の元へ。
にっこり笑うと
風花が息を飲むのがわかり
ん?と、思っていると
「鈴香。
鈴香だけど、鈴香じゃないみたい。」
と、言われて
「えっ、良くわからない。」
と、二人で笑いながら
お店へ移動した。
アレクシさんは、少し遅れて来るらしい。
お店に着き注文をしながら
話しをしていると
少ししてアレクシさんが合流した。
私達の席はずっとフランス語が
飛び交うから、周りの人たちから
チラホラ。
日本語じゃないから
遠慮ないから、良いかな。
お腹も満たされて
風花のお店へ移動して
風花のピアノを聴く。
アレクシさんにも弾いてみたら
と、言うと
弾いてくれた。
とても上手だ。
拍手をしていると
海外の方から声をかけられて
風花とアレクシさんが
直ぐに助けに来てくれて
追い払ってくれた。
二人が、肩を下ろすのを見て
クスクスっ、笑っていると
「笑い事じゃないから。」
と、風花が言うから
「ごめん、ごめん。」
と、言っていると
「何を、謝っている?」
と、絢斗さん。
「絢斗さん。」と、鈴香
「オーナー。」と、風花
「藤堂さん。」と、アレクシさん。
「鈴香が世話になった。」
と、二人に言う絢斗さんに
「すっごく、美味しかったよ。
今度、絢斗さんも一緒に。」
と、言うと
「ああ。」
と、言いながら鈴香の頭を優しく
撫でる絢斗。
自分と結婚して、思うように
させてやれなくて。
と、思っているが
この娘を手放せなかった。
アルコールも少し入り
楽しかったようで良かった。
二人に感謝だな、と思い
「山本、アレクシ。ありがとう。
鈴香は、連れて帰る。」
と、言うと
風花は、絢斗の気持ちは
わかったが、お礼を言われて
びっくりしていたが····
アレクシは、
「リンカ。
今日は、ありがとう楽しかった。
式の時、お願いします。」
と、言うから
「はい。私も楽しかったです。
風花、アレクシさん。またね。」
と、言う鈴香に
「鈴香。また、連絡するね。」
と、風花に言われて
絢斗さんを見上げると
おでこに絢斗さんの冷たい唇が
下りてきて、真っ赤になる鈴香
風花は、再び驚き
アレクシは、冷やかし
そんな二人に何とか手をふる鈴香を
腰に手を回して歩き始める絢斗。
「絢斗さん。二人がびっくりしますよ。」
と、言うと
「ん?そうか。」
と、言う絢斗が、可笑しくなり
クスクスっ、笑っていると
「楽しかったようで良かった。」
と、言うから
「はい。あっ、お仕事終わったのですか?
潤さん達だけ、残したのでは?」
と、言うと
「俺のやるべき事は、終わらせた。」
と、言う絢斗の腕に自分の腕を
絡ませる鈴香に
「たまには、妻と腕を組んで
歩くのも良いな。」
と、言うから
鈴香は、
「うふふっ、はい。」
二人が、出て行くと店内が
やっと静かになった。
風花は、オーナーが
本当に鈴香を溺愛しているのが
解り、あのオーナーがね
と、可笑しくもあり
親友の幸せが嬉しかった。
そんな、風花をアレクシもまた
優しい眼差しで見ていた。