シンデレラには····程遠い
少し遅れてしまった。
絢斗さんのせいだ。
風花とアレクシさん
両家のご両親がお出迎えを
してくれている。
早く行って話そうと思っていたのに。
どんどん、皆さん中に入って行く。
私も列に並び待つ事に。
私の順番になり
「本日はおめでとうございます。」
と、頭を下げると
風花もアレクシさんも
驚いた?ような顔をして
目を開いていたから
「主役でないのに、ごめんなさい。」
と、ドレスを指さしながら
謝ると······
風花は、すぐに分かり
笑って
「きれいよ。」
と、言ってくれたから
真っ赤になりながら
ため息をついた。
風花の両親も
「鈴香ちゃん、本当に綺麗。」
と、言われて
「すみません。」
と、またまた恐縮していると
腰に腕が回り
「申し訳ありません。
お嬢様の結婚式なのに。」
と、言う絢斗さんに
『思っていないでしょ?
藤堂には、鈴香さんが全てだから。』
と、アレクシさん。
絢斗さんは、アレクシさんを見て
笑っていた。
私は、絢斗さんを連れて
再度、風花とアレクシさん
風花のご両親、アレクシさんのご両親に
頭を下げてから会場へと向かう。
中へ入る前に絢斗さんが
「鈴香、凄く綺麗だ。」
「ありがとうございます。
あっ、今日は風花が主役ですよ。
花嫁より目立たない事が
日本の、やり方だと。」
と、言うと
「そうか?俺の中では
鈴香がいつも中心だからな。」
と、言うから
もぅ〜と、思いながら
見上げるとニッコリ微笑む絢斗さんに
やはり····勝てない。
と、微笑み返した。