シンデレラには····程遠い

帆香を母にお願いして
陽斗を幼稚園に迎えに行く。

「ママっ。」
「陽斗。おかえり。
先生、ありがとうございます。」
「いいえ。陽斗君は
いつもおりこうさんで
手がかからないのです。」
と、言う先生に照れる陽斗の
頭を撫でながら
「そうですか?
陽斗は、幼稚園が楽しいと
いつも話してくれます。」
と、言うと
「ほんとですか?
嬉しいです。
陽斗君、また、明日ね。」
「はい。先生、さよなら。」
「先生、ありがとうございます。」
と、二人で頭を下げてから
車へと。

そう、私は運転免許を取得した。
絢斗さんは、心配していたが
やってみなさい。
と、言ってくれた。
うふふっ、本当に私に甘くて
優しい。
免許は、スムーズに取れ
お祝いに小さな軽を買ってくれた。

私のお気に入りの愛車。

陽斗をチャイルドシートに
座らせて、二人で話しながら
帰宅する。

玄関前に母が、帆香を抱いて
待っていてくれて
帆香は、お兄ちゃんが見えて
きゃっ、きゃっ、と騒いでいる。
「帆香、おばあちゃん、
ただいま。」
「陽斗、お帰り。」
「母さん、ありがとう。」
「ううん。でも、わかるのかね。
あなた達が帰る少し前に
うん、う〜ん、と言うの。
まるで、外に行くよと
言っているみたいに。」
と、言う母の
顔を見て二人で笑い合う。

なんでも読み取る絢斗さんに
似てると、思ったから。

帰宅した、絢斗さんに話すと
帆香を抱き上げてから
頬にキスをしていた。

絢斗さんは、帰宅すると
迎えにでた陽斗の頭を撫でて
手を洗い陽斗を抱き上げて
リビングへ
リビングで陽斗を下ろして
帆香を抱き上げて
私の頭にキスをする。
「すみません。出迎えに行けなくて」
「構わない。陽斗が来てくれた。」
と、言う絢斗さんに
陽斗も嬉しそうに。

本当に二人とも
パパ好きだ。
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