シンデレラには····程遠い

いろんな事があった。

絢斗さんみたいな素敵な人で
 まったく住む世界が違う人に
出会い·····

 恋に落ち·····

  結婚するなんて······

    思いも····しなかった·····


いずれは、誰かと結婚するのかな·····
と、漠然と考えていた
いや、どうでもよい?
と、本当は、思っていた。

フランス語に携われて
生きて行けたら······と。


今では······
絢斗さんが居ない人生なんて
考えられない。
····考えたくもない。

出会いから今も変わらず
好きで、好きで、大好きな人だ。
と、洗濯物を畳みながら
想いにふけっていると

フワッ·····と抱き締められて

「どうした?考え事か?」
私が愛してやまない
旦那様は、私の姿が見えないと
家事室にいると思うらしい
「うふふっ。はい。
絢斗さんの事を考えてました。」
「俺の事を。
それは、光栄だな。
愛してやまない妻が
俺の事を考えて
俺の下着を抱きしめてくれて。」
「えっ。」
と、見ると
絢斗さんの下着(パンツ)を
抱きしめていて
恥ずかしさに真っ赤になっていると
「下着より、
出来たら本人を抱きしめて欲しいな。」
と、言いながら
私を洗濯物ごと抱えて膝にのせて
キスをする。
「まだ、途中なのに。」
と、言いながら
絢斗さんの首に腕を回すと
絢斗さんの口角があがる。

沢山キスをされて
「続きは、ベッドで。」
と、耳元で囁かれて
私を元の位置に戻して
「子供達が探していたぞ。」
と、言って家事室を後にした。

もぅ·····と、思いながらも
「陽斗、帆香、ママ、ここよ。」
と、声をかける。
賑やかな足音が聞こえて来る。

二人の子供を抱きしめていると
絢斗さんが優しい眼差しで
微笑んでくれていた。

あ〜、幸せだな。
 と·····つくづく·····思う·······


シンデレラのような生活を
送っている私だが····

シンデレラには······なれない。
  ほど·····遠い···········

シンデレラには····
  決してなれないが·····

絢斗さんと共に
 いつまでも····いつまでも······
   生きて行きたい。

陽斗と帆香も一緒に·······

両親も······
葉瑠も·········
快斗さんも·······
潤さんと菜々実ちゃんも·······
風香やアレクシさんも

みんな·····笑顔溢れる

そんな幸せな生活を送って
  欲しいと願うばかり·······
< 79 / 83 >

この作品をシェア

pagetop