頑張れDさん‼︎

頑張れDさん‼︎第19話

頑張れDさん‼︎第19話


「もしもし、ネピオンさん」

「お疲れ様Dさん」

「はい、お疲れ様です。」

「いや〜まいりましたよ〜だろ！」

「あっ、いや、その〜まぁ〜です。」


この男Dさんは、事あるごとに電話して来て「いや〜まいりましたよ〜」が口ぐせな度し難い人だった。


「それで、今日は？」

「はい、実はですね〜」

「うん、実は？」

「昨日の夜に居間でゲームしていたんですよ〜」

「うん」

「ほら〜あのチャット出来るヤツ」

「あ〜あれ？」

「そうです、あれです」

「うん、うん」
（どれだっけ？）

「それで、ですね〜」

「うん」

私は、二週間程前にDさんが何か面白いゲームはないか聞いてきたので幾つか教えていたのだった。


「それで、ゲームで仲間を募集して〜」

「うん、募集して？」

「はい、ほら、あのゲームは人を誘って一緒に討伐しに行けるじゃないですか」

「あ〜モンハンね」

「そうです、そうです」

「うん」
（DSのヤツだったか）

「うん、それで？」

「それで、募集してY美って人が来たんですよ〜」

「うんY美さんね」

「はい、んで俺はダイって名前でプレーしているんですよ〜」

「うん、それで」

「まぁ、一緒に討伐に行ったら〜そのY美さんが」

『トイレに行くから少し待ってと言って』

「うん」

「それで、少し待っていたら〜」

「うん」

「寝室から、家のM美がトイレに行ったんですよ〜」

「うん、それで？」

「はい、それで、M美がトイレから寝室に戻ったら〜」

「うん、戻ったら」

「はい」

『お待たせ〜』

「俺は、今一緒に討伐しに行ってるY美が〜まさか、家の奥さん？と思って〜」

「あ〜〜」

「それで、DS持ったまま寝室に行ったら」

「うん」

「家のM美がDS持ってモンハンしてたんですよ〜」

「あ〜〜」

「それで、M美に聞いたんですよ〜」

「うん」

※Dさんの回想シーン
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「あの〜M美さん、モンハン誰としているのかな〜」　

「あ〜今？」

「そうそう」

「アンタ‼︎」

「えっ！」

「そう、アンタ」

「えっ、M美さん、俺のハンドルネーム知ってたの？」

「あ〜アンタが楽しそうにしてたから私もモンハン買ったの」

「うん」

「それで、装備とかどうしたらいいか分からなかったから」

「うん」

「アンタのDS覗いたら、ハンドルネームがダイって」

「あ〜なるほど」

「まぁ、それはいいけどさぁ〜」

「うん」

「アンタさぁ〜」

「うん」

「下手すぎ」　

「えっ」

「私より早く始めているのに、何でそんなに下手なの？」

「あっ、いや〜」

「それから、アンタこのゲーム向いてないよ！」

「えぇ〜〜」


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※回想終了

「とまぁ、こんな感じだったんですよ」

「なるほどね〜」

「俺も、モンハン始めて少しだけど〜」

「家の奥さんが、俺より後に始めたのにランク上になっているし〜」　

「うん」

「マジでテクッているんですよ〜」

「なるほど〜」


「あ〜しかしマジでビックリでしましたよY美がM美だったなんて」

「まぁ〜普通はゲームで本名使わないからな」

「あ〜確かに」

「奥様はDさんがダイって知ってたからゲーム内のDさんの部屋に来たんだろ」

「ですかね〜」

「あっ、そう言えば」

「どっ、どうしたんですか？」

「昨日の夜に俺も討伐しに行った時に仲間にY美と言う人がいたな〜」

「そっ、それって」

「まさか・・・家の・・・」

「まさか・・・なぁ〜」

「あはっ、あははははは・・・」

「ネピオンさん、ハンドルネームは？」

「ネピネピだが」

「あ〜〜それとなく聞いときます」

「いや、聞かないでくれ」

「何故です？」

「いいから、とにかく聞かないでくれ」

「そっ、そうですか分かりました。そしたら、また連絡します」


Dさんは、そう言って電話を切った。


（しかし、昨日のY美さんはテクッてたなぁ〜まさかM美さん？だったのか？）

『ブルッ！』

（Dさんはモンハンでも奥さんに勝てないのか）

「さて討伐しに行ってくるかな」
（Y美さん来ないだろな・・・来ないで下さい）



　　　　　　・・・・続く・・・・