いきなり図書館王子の彼女になりました
「…やり直したいな。…クリスマス」
切なそうに、彼は続けてこう言った。
「…『既望』みたいに、時間を戻して」
「…………うん」
「時間を戻して僕は、21日の仮装パーティーに参加する」
「…参加して欲しいな。司君と一緒に私、クリスマスプディングのゲームしたい」
彼は私を後ろから抱き締めながら、
耳元で、声色を妖しく変えた。
「きっと僕がコイン入りの一切れを当てるよ。…ゲームは得意だからね」
…………!!
「…知ってる。……もう、くすぐったいよ!」
「…………わざとしてる」
「…………」
彼は腕を離して優しい仕草で、くるっと私を自分の方に向かせた。
暗闇の中、
プラネタリウムのライトの色が、
回転しながら輝いている。
彼の真剣な目が、こちらだけを見ている。
「…………キスしていい?」
答えを待たずに、
いきなり彼は私の唇を奪った。
「…………!」
……………聞いたくせに!
「…………しちゃったけど」
私は動悸がおかしくなり、
思わず彼にこう言った。
「……司君、また……!」
悪戯して楽しんでる!
ちょっと反省してたみたいだったのに!
「………だって驚いた顔の沙織さん、すごく可愛いから」
「…………!」
「ねえ沙織さん、僕の事、好き?」
「大好き」
彼の視線が、熱くなる。
「…………僕のどこが好き?」
…………囁く声。
…………身動きするだけで
触れてしまいそうな、唇。
…………が、
今は、気になってしまうけど!
「……読み返したくなる、本みたいな所」
彼は吹き出した。
「…何それ?」
私は考えながら、
少しずつ打ち明けた。
「ページを開くたびに、ワクワクする所」
「読むたびに、嬉しくなる所」
「ずっと一緒にいたくなる所」
「読んでてドキドキしちゃう所」
「全然予想がつかない所」
私は、さらに考えた。
「もっともっと知りたくなる所」
「…………」
彼は目を見開いて、私を見た。
「大好きな本みたい。司君って」
「…………!」
彼は突然、壁際に私を押し付けた。
「どうしてくれるの………沙織さん」
逃がさない様に、ドアの横の
壁と自分の間に私を閉じ込め、
「…もう抑えられなくなっちゃった」
彼の目は、
私の目の奥深くを見つめた。
「…………沙織さんのせいだからね」
そう言われると私は、
息も出来ないくらい何度も、
唇に、キスをされた。
「ねえ…………」
彼は吐息で、私に話しかけた。
「…………?」
「…僕はまだ、沙織さんに全然、気持ちを伝えられてない」
数え切れないくらいキスをしながら、
彼は私に囁いた。
「…もっとちゃんと伝えたいのに。…沙織さん」
司君の鼓動の音が、聞こえてくる。
私を熱く見つめながら、
また唇にキスをして、
「…時間がかかるけど…待っててくれる?」
彼は私の両頬に手を当てて
真剣な表情で、こちらを見つめている。
「…うん。ずっと待ってる」
私は彼の視線を受け止めた。
「…一生かかっちゃうかも知れないけど、いい?」
動悸のせいで死にそうになりながら
「…………ふふ。…うん!」
幸せな約束を、彼と交わした。
私は、
彼の背中にそっと手を回して、
その体を、自分から抱きしめた。
今ここに、彼と一緒にいられる事は、
私にとって決して、当たり前の事じゃ無い。
これからどんなに求めてももう、
この一瞬は永遠に戻って来ない。
また、涙が溢れてきそう。
「ねえ、沙織さん、最後にもう一度だけ…」
彼の声が、私の耳をくすぐる。
「…………僕にキスして」
彼の瞳が
私を彷徨う。
同じ世界を、求める様に。
「…………うん」
この出会いを、大切にしたい。
大人しく目を閉じて待つ
彼の柔らかい唇に
私は
ゆっくりとキスを落とした。
切なそうに、彼は続けてこう言った。
「…『既望』みたいに、時間を戻して」
「…………うん」
「時間を戻して僕は、21日の仮装パーティーに参加する」
「…参加して欲しいな。司君と一緒に私、クリスマスプディングのゲームしたい」
彼は私を後ろから抱き締めながら、
耳元で、声色を妖しく変えた。
「きっと僕がコイン入りの一切れを当てるよ。…ゲームは得意だからね」
…………!!
「…知ってる。……もう、くすぐったいよ!」
「…………わざとしてる」
「…………」
彼は腕を離して優しい仕草で、くるっと私を自分の方に向かせた。
暗闇の中、
プラネタリウムのライトの色が、
回転しながら輝いている。
彼の真剣な目が、こちらだけを見ている。
「…………キスしていい?」
答えを待たずに、
いきなり彼は私の唇を奪った。
「…………!」
……………聞いたくせに!
「…………しちゃったけど」
私は動悸がおかしくなり、
思わず彼にこう言った。
「……司君、また……!」
悪戯して楽しんでる!
ちょっと反省してたみたいだったのに!
「………だって驚いた顔の沙織さん、すごく可愛いから」
「…………!」
「ねえ沙織さん、僕の事、好き?」
「大好き」
彼の視線が、熱くなる。
「…………僕のどこが好き?」
…………囁く声。
…………身動きするだけで
触れてしまいそうな、唇。
…………が、
今は、気になってしまうけど!
「……読み返したくなる、本みたいな所」
彼は吹き出した。
「…何それ?」
私は考えながら、
少しずつ打ち明けた。
「ページを開くたびに、ワクワクする所」
「読むたびに、嬉しくなる所」
「ずっと一緒にいたくなる所」
「読んでてドキドキしちゃう所」
「全然予想がつかない所」
私は、さらに考えた。
「もっともっと知りたくなる所」
「…………」
彼は目を見開いて、私を見た。
「大好きな本みたい。司君って」
「…………!」
彼は突然、壁際に私を押し付けた。
「どうしてくれるの………沙織さん」
逃がさない様に、ドアの横の
壁と自分の間に私を閉じ込め、
「…もう抑えられなくなっちゃった」
彼の目は、
私の目の奥深くを見つめた。
「…………沙織さんのせいだからね」
そう言われると私は、
息も出来ないくらい何度も、
唇に、キスをされた。
「ねえ…………」
彼は吐息で、私に話しかけた。
「…………?」
「…僕はまだ、沙織さんに全然、気持ちを伝えられてない」
数え切れないくらいキスをしながら、
彼は私に囁いた。
「…もっとちゃんと伝えたいのに。…沙織さん」
司君の鼓動の音が、聞こえてくる。
私を熱く見つめながら、
また唇にキスをして、
「…時間がかかるけど…待っててくれる?」
彼は私の両頬に手を当てて
真剣な表情で、こちらを見つめている。
「…うん。ずっと待ってる」
私は彼の視線を受け止めた。
「…一生かかっちゃうかも知れないけど、いい?」
動悸のせいで死にそうになりながら
「…………ふふ。…うん!」
幸せな約束を、彼と交わした。
私は、
彼の背中にそっと手を回して、
その体を、自分から抱きしめた。
今ここに、彼と一緒にいられる事は、
私にとって決して、当たり前の事じゃ無い。
これからどんなに求めてももう、
この一瞬は永遠に戻って来ない。
また、涙が溢れてきそう。
「ねえ、沙織さん、最後にもう一度だけ…」
彼の声が、私の耳をくすぐる。
「…………僕にキスして」
彼の瞳が
私を彷徨う。
同じ世界を、求める様に。
「…………うん」
この出会いを、大切にしたい。
大人しく目を閉じて待つ
彼の柔らかい唇に
私は
ゆっくりとキスを落とした。