いちばん星の独占権
りんくんの声にハッとして、なるちかくんの腕のなかから逃れる。
りんくんに言われるまでなるちかくんに体重かけっぱなしだった、それはたしかに迷惑だ……。
なんて、思いながらりんくんを見れば。
頬杖をついて、ぶすっとふてくされた顔をしていた。
え、何その顔。
「ん、ほのかちゃん、これでしょ」
「あ……、ありがとう」
取ろうして取れなかった消毒液のボトルをなるちかくんが手渡してくれる。
あの位置のものを、こんなあっさり取れるなんて、なるちかくん、身長高いんだなぁ……。
わたしの頭よりずっと高い位置でさらっと揺れる金髪に感心する。男の子だ、なるちかくんは。
そういえば、さっき支えてくれたときも、腕なんかわたしよりずっと筋肉質でなんか────。
やめやめ。
変な方向に走り出した思考回路を軌道修正。
血まみれのりんくんに向き直る。
「りんくん、足出して」
「ん」
うわあ、今日は一段とひどい傷だ。
生々しい傷口は見るに耐えなくて、視線をあさってに向けながらガーゼに消毒液を染み込ませる。
「今日はたぶん……いつもよりしみるけど、我慢してね?」
「ムリ」
「えっ」