いちばん星の独占権



「無理っつったら無理」

「ええ……」




りんくんは、まだふてくされた表情だ。
そして、わがまま言い放題。


これじゃあ、男子高校生の皮をかぶった幼稚園生だ。




「でも、しみるの我慢できないなら、手当てできない……」

「……じゃあ」




りんくんがじっとわたしを見つめる。
なにかを訴えかけるような目。




「ほのかがご褒美くれんなら、我慢する」

「ごほうび……?」

「そう」




その一連の流れを横で見ていたれーちゃんが、呆れたようにため息をついて苦笑した。




「ほのかからのご褒美がなきゃ、消毒すらできないって、ほーんとダサ」

「玲奈はいちいちうるせーんだよブス」


「はあっ!? ブスだけは許せん!! 撤回しろ、世界一かわいい玲奈様でしょーがっ」

「……セカイイチカワイイレイナサマ」




わたしの幼なじみたちは、いったい何を言い争っているんだろう……。
結局仲直りしてしまうのだから見ている分にはにぎやかで楽しいけれど。



とりあえずこの場にはなるちかくんもいるんだし、止めなきゃだめだ。





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