いちばん星の独占権
◇
「ひゃ〜っ、さっすが人多いねえ」
道に沿って並ぶ、提灯、提灯、提灯。
────の間に人、人、人、人……。
毎年のことだけれど、やっぱり大きなお祭りなだけあって、人の密集具合がすごい。
この辺りはそんなに都会じゃなく、こんなにも人が集まることが普段はないから、びっくりしちゃう。
「もっと、別のところで集合した方がよかったかなー。これじゃ、どこにいるか全然わかんないねー」
目をこらすように細めたれーちゃん。
たしかに、この人混みのなかで、特定の誰かを見つけ出すのは至難の業かもしれないけれど……。
「だいじょうぶだよ」
「えっ?」
「すぐ見つかるもん」
きょとんとするれーちゃんをよそに、行き交う人の流れをじっと見つめる。
そうすれば、すぐに、ほら。
────見つけた。
「れーちゃん、行くよっ」
「へっ!?」
「見つけた!」
「見つけたって、うそおっ、ほのかの視力どうなってんの?!」
これは視力がどうとかいう話ではなくて────。
れーちゃんの腕を引きながら、人をかき分ける。
そして、たどり着いた。
「なるちかくん……!」