いちばん星の独占権
「わっ」
裏にあったスイッチをかちり、と入れると、星がぴかぴか光りはじめる。規則正しいリズムで瞬いて、虹色に色を変えていく。
お祭りあるあるの、ひかるおもちゃ。
でも、思ったよりかわいいかも。
「これ、わたしに、くれるの?」
「そんなので良かったら」
「ほんとに? いいのっ?」
きらん、と輝くわたしの瞳に、なるちかくんは驚いた様子で目を丸くして、それからすぐにくしゃりと微笑んだ。
「なんとなく、ほのかちゃんっぽいなって思って選んだやつだったんだよな、それ」
「……!」
スイッチを入れたままだから、ぴかぴかと眩く点滅するお星さま。思わず二度見してしまう。
これが、わたしだと、思ったの?
一瞬でも、なるちかくんの目には、わたしがそんな風にうつっていたのかもしれない、と思ったら。
「うれしい」
「ふは、よかった、ハズレ甲斐があった」
「……大切にするね」
「ハズレなのに?」
「大切にする、ぜったい」
プラスチックがカチャカチャと音を立てるような、そんな安っぽいペンダントを首から下げて、その星を胸の前でぎゅっと抱きしめた。
ハズレなんかじゃない、なるちかくんがくれたものだもん。
好き、だいすき。
心のなかで混じりけのない恋心がはじけて、視界がまたうるんで、首からさげた星の放つ光がぼやけて霞んだ。