いちばん星の独占権
◆
- side 三上成哉 -
◆
『あのさ、りっちゃん』
『んー? なるくん、どうしたの、なにか悩みごと? 人生の先輩、りっちゃん先生が聞いてあげなくもなくってよっ』
『好きだ』
『……?』
『俺、りっちゃんのことが、好きなんだけど』
『んふふっ、嬉しいありがとう、なるくんがそういうこと言うなんて珍しいねー?』
『……っ』
『かーわいい! でも、なるくん、ダメだよっ? そういうのは、ちゃあんと心から好きな子にしか言っちゃダメ。でも、まだなるくんには早いかなあ』
がつん、と打ちのめされて、あの日、りっちゃんに抱いていた淡い恋心は一度、粉々に砕け散った。
────隣の家のりっちゃんは、俺にとって、いつでも、ずっとずっと遠くにいるひとだった。
8歳年上、俺が小学生になった頃にはもう中学生で、俺がまだ小学生のうちにもう高校生で、やっと俺が中学生になったときには、りっちゃんは大学生だった。
- side 三上成哉 -
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『あのさ、りっちゃん』
『んー? なるくん、どうしたの、なにか悩みごと? 人生の先輩、りっちゃん先生が聞いてあげなくもなくってよっ』
『好きだ』
『……?』
『俺、りっちゃんのことが、好きなんだけど』
『んふふっ、嬉しいありがとう、なるくんがそういうこと言うなんて珍しいねー?』
『……っ』
『かーわいい! でも、なるくん、ダメだよっ? そういうのは、ちゃあんと心から好きな子にしか言っちゃダメ。でも、まだなるくんには早いかなあ』
がつん、と打ちのめされて、あの日、りっちゃんに抱いていた淡い恋心は一度、粉々に砕け散った。
────隣の家のりっちゃんは、俺にとって、いつでも、ずっとずっと遠くにいるひとだった。
8歳年上、俺が小学生になった頃にはもう中学生で、俺がまだ小学生のうちにもう高校生で、やっと俺が中学生になったときには、りっちゃんは大学生だった。