いちばん星の独占権
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「なるちかくん」
気がつけば、最後の花火が散っていた。
といっても、この人気のない場所からは花火を見ることはなくて────いや、普通に最悪のスポットだよな。
何となく、佐野たちの元に戻るのも気が進まなくて……というか、普通にもうちょっとほのかちゃんとふたりでいたくて、この場所に連れてきたわけだけど、花火が音だけとかありえない、どう考えても。
今さら反省して、自分にげんなりしていると。
「なるちかくん、足、大丈夫?」
「足?」
「鼻緒のところ、痛そう」
ほのかちゃんに言われてはじめて、自分の足元に目を向ければ────うわ。
これは、ひどい。
全く意識してなかったから痛みも感じていなかった、けれど、親指と人差し指の間が鼻緒ですれて、赤くなっていた。
靴擦れ的な感じで、滲んでいるのは血の赤、だと思う。