いちばん星の独占権
と、そんなりっちゃん先生の目の下に、どよーんと色濃く浮かんだクマ。
麗しきりっちゃん先生が、変わり果てた姿になっていて────び、びっくりした……。
「どうしたんですか……っ?」
「最近、ぜんっぜん眠るひまがなくて、気づいたらこのザマだよ……」
「えええ……」
「結婚の準備がこんなに大変だなんて、知らなかったーっ!うわーん!」
そっか、結婚の準備……。
と、あわてて、なるちかくんの方を振り向く。
水曜日、もちろん、なるちかくんもここにいて、わたしの隣に座っていた。
けれど、ゆったり目を閉じて座っていて、眠っている、みたい。
よかった、とほっとする。
りっちゃん先生の結婚について、できるだけなるちかくんの耳に入れたくないのは、相変わらずだ。
「結納でしょ、職場への報告でしょ、招待状に、打ち合わせに、前撮りに、ギフトの手配……」
指折り数えるりっちゃん先生はげんなり肩を落とす。
「世の中のカップルがマリッジブルーに陥るのもわかっちゃうよ、だってこんなに手続きだらけだと投げ出したくもなっちゃう……!」