いちばん星の独占権
そんなに大変なんだ……。
もちろん結婚の手続きなんてしたこともないから、いいアドバイスが思いつくはずもなく、ただただりっちゃん先生の吐き出す愚痴たちに頷くことしかできない。
恋人すらいないんだもん、結婚なんて想像もつかないよ。
一瞬、ほんの一瞬、真っ赤なバージンロードを歩くタキシード姿のなるちかくんを思い浮かべて、あわててぶんぶんと首をふってかき消した。
だめだめ、妄想はだめ。
「でも、面倒な手順を踏んでまで、一緒にいたいって思うほど、大好きなんだもんね、仕方ないよねえ……っ」
「ふふ」
しっかりとクマを浮かべてやつれた様子のりっちゃん先生が、それでも幸せそうで、素敵だなと思う。
なるちかくんのことさえなければ、もっと素直にそう思えるんだろうな。
星祭りで見かけたときも、りっちゃん先生、ほんとうに楽しそうでかわいかったもん。
「そういえば、ほのかちゃんは?」