いちばん星の独占権



「へぇっ?!」

「ほら、言ってたでしょー? お出かけ、誘われたって」

「ああうっ」




まさか、こっちにその話題が跳ね返ってくるとも思ってなくて、変な声を上げてしまう。


そして、もう一度しっかりなるちかくんの方をたしかめて、その瞳がかたく閉じているのを確認して……。




「いやっ、あの、ほんとになにも、なくて……っ」

「えー、ほんとにー?」


「はい。結局、りんくんも、れーちゃんも一緒だったので、いつも通りというか……」




ううん、いつも通りでは、全然、なかった。



花火が終わったあと、ひとりじゃ危ないからって、なるちかくんが家まで送ってくれて……なるちかくん、下駄をはくのもけっこう痛そうだったのに、嫌な顔ひとつせず。




────最初から最後まで、わたしばっかりどきどきしちゃってた。

好きだな、ってしっかり思ってしまった。



もう消せないくらい、ちゃんと、好きだなって自覚して、家に帰ってからも、なるちかくんがくれたひかるおもちゃを見るたび、頭のなかがわーっとなって、じたばたして。



でも。






「ほのかちゃんは、好きじゃないの? その彼のこと」

「好きじゃ……ないです、ぜったい」






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