いちばん星の独占権
うそ、すごく、好き。
今だって、隣で眠っているなるちかくんが視界に入るたび、心臓がすっごくうるさい。
ほんとうに、心臓って思っていたよりずっと正直だ。
────でも、内緒にするの。
心のなかに閉じこめて、鍵をかけて、宝物みたいにそうっとしまっておくの。
「そっかー、そうなのね、せっかくほのかちゃんと恋バナできると思ったのにぃー……」
「んふふ」
なるちかくんはわたしにキラキラの魔法をかけてくれた。
なるちかくんを想う気持ちはキラキラしていて、だから、ずっとキラキラのまま、大切にわたしのなかで育てていく。
だって、口にしたっていいことない。
なるちかくんはりっちゃん先生のことが好きなんだもん、そして、わたしはなるちかくんのその気持ちを誰より大切にするって誓った。
「ほのかちゃんに好きなひとができたら、中村璃世の名にかけて、全力で応援しますからね! 心理には人並み以上に詳しいからね! 男心もお任せあれですよ!」
りっちゃん先生が目をギラギラさせている。
────だったら、そんなことを言うなら、なるちかくんの気持ちにも気づいてあげてほしかった、なんて。
わたしが考えたって仕方のないことを考えて、そのタイミングで昼休み残り5分の予鈴のチャイムが響きわたる。