いちばん星の独占権



こくん、と頷く。

────けれど。




「あのっ、とりあえず下ろしてくれません……っ?」




それとこれとは別だ。




「なんで?」

「ちゃんと保健室行くっ、自分の足で行けるよっ」


「えー」


「だって、なるちかくん、重いよね? わたし、重いのっ」




れーちゃんみたいに華奢じゃないもん。
おなかにも二の腕にも、ぷにぷに贅肉が……。


ぜったいなるちかくんだって、内心、重いって思ってる。





「はは、ぜんぜん重くねーよ」

「……うそだ」


「むしろ、内臓みっつくらい足りないんじゃない? って思うけど」




内臓みっつ……。
比喩がちょっと変だ。



けれど、ツッコむ余裕もなくて、なんとかなるちかくんの腕から逃れようとじたばたするけれど。





「ほのかちゃん、いい加減あきらめて、じっとしてください」

「うう……」






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