いちばん星の独占権
「だいじょうぶ、だよ」
「ふは、嘘つけ」
「……む」
「ほんとは? 熱っぽい? 風邪?」
ベッドの脇の椅子に腰かけたなるちかくんの、心の底から心配そうな瞳と目が合った。
どこから持ってきてくれたのか、ふわっと毛布をかぶせてくれて、ごまかせないか、と観念する。
「風邪じゃなくて、その」
「うん?」
「ええと、女の子の、日、で」
「あー、なるほど。……腹、痛い?」
こくり、頷くと、なるちかくんが眉を寄せた。
「どんな感じで痛い?」
「……お腹のなかで、怪獣が暴れ回ってる、感じ?」
思ったまま口にして、すぐさま、なんだそれ、と心のなかでツッコミを入れた。
自分でもよくわからないことを口走ってしまって、またいつもみたく、「はは」って笑われる────と思ったのに。