いちばん星の独占権



こんなところ、見られたら一発KOだ。

紛うことなき、レッドカード。



そんな危機的状況にもかかわらず、今、なるちかくんとわたしを守るものといえば、ぴらっぴらの薄布、カーテン1枚きり。



こんなの盾にもなりっこない……!




どうか、このままUターンしてくれますように。


と、祈ったところで石岡先生が都合よくすごすごと帰ってくれるはずもなく。

タン、タン、と足音が迫ってくる。



逃げ場もなく、どうすることもできなくて、ひたすら心臓をバクバクさせていると。




「隠れるか」

「……!?」


「ちょっとがまん、できる?」

「え」




返事を待たずして。




「っ、ぅ……っ!?」




なるちかくんが、わたしに覆いかぶさる形でベッドに乗ってくる。


そして、ふたり丸ごと姿を隠すように、ばさりと毛布をかぶった。




頭からつま先まで、すっぽり包まれて、一瞬暗くて何もわからなくて。


だけど、すぐに目が慣れて。




「〜〜……っ!」





叫びそうになった、のを、必死で噛みころした。


ち、ちかぁ……っ!!!






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